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とうかいTABUNKA通信

オメルさん

 日本と深い関わりのある国は?と聞かれて,皆さんはどこの国を思い浮かべますか。アメリカや中国,ロシアといった大国,隣の韓国などを連想される方は多いと思いますが,「トルコ」と答える方は少ないかと思われます。トルコと日本の交流は今から130年以上前の出来事(通称:エルトゥールル号遭難事故)がきっかけと言われており,二国間の関係は歴史的にも深い間柄にあります。
 さて,今回はそのような親日国家「トルコ」の出身で,名古屋大須の名物と呼ばれるトルコ料理店「MegaKebab1号店」の店主、オメルさんに日本の印象やお店のこと,さらに多文化共生について話を伺いました。


大好きな日本,あこがれの日本へ

オメルさんの出身はどちらでしょうか。  トルコのガズィアンテップという都市の出身です。ガズィアンテップはトルコの南東部に位置していて,古くからの史跡が多いことから,近年では日本人を始めとして世界中から人気の観光スポットとして注目されています。

 また,トルコの気候は日本と同様に四季があり,夏は日本より蒸し暑くないです。日本と似ている気候のため日本人でも過ごしやすいと思います。あと,人柄が優しいという点も,トルコと日本は似ていると思います。
故郷自慢をお願いします。  トルコといえば,皆さんご存じのケバブですね。ケバブとは「回る焼肉」という意味ですが,トルコは肉料理が盛んで味付けは天下一品級です。フランス料理,中華料理と並んでトルコ料理は世界三大料理と呼ばれています。

 また,肉料理以外にトルコピザのラフマジュンやチャイ(紅茶),コーヒーなどが有名で,日本でもよく見かけると思います。
     来日したのはいつ頃ですか。  2004年12月です。当時は翌年に愛知万博が開催されたため,来日して最初の頃は,万博会場でトルコアイスやケバブを売る仕事をしていました。また,冬場にはスキー場で働いたこともありました。その後,日本人女性と結婚し,今の仕事(MegaKebab)に就いています。
来日の経緯や理由を教えてください。  小さいころから日本のアニメやスポーツ(空手など),独特な風習や文化(侍や着物など)に興味があり,いつか日本へ行ってみたいと思っていました。ちなみに私はトルコにある空手道場にも通っていました。そのため,来日の理由を聞かれたら「日本が大好きだから」が答えになりますかね。あと,名古屋を選んだのは名古屋市内に元々,私の知人が暮らしていたからです。
日本での生活について,つらい経験や困ったことはありますか。  言葉に関しては苦労しました。いくら日本が大好きとはいえ,日本語で通常の会話をするのはとても困難でした。ただ,日本語とトルコ語は文法が似ている言語なので,独学で必死に勉強し,どうにか会話できるレベルにはなりました。「せめて日本人に英語が通じればなぁ」と,来日したての頃はよく思ったものです。

 そのほか私は日本が大好きでしたので,来日前から様々なイメージを抱いていました。例えば,日本には優しくて親切な人が多いことや現代でも「サムライ」が存在することなどです。前者については想像通りでしたが,「サムライ」については既に存在していないということを知り,来日してから衝撃を受けました。

MegaKebabの看板店長へ

トルコ料理店「MegaKebab」について,ご紹介願います。  トルコの定番料理であるケバブ(回る焼肉)を,ピタ(平たいパン)やフランスパンに挟んだものがメイン料理となります。また,当店のケバブは肉を積み重ねて,グリルでぐるぐると回して焼いているため,余分な脂が落ちて,とてもヘルシーに仕上がっています。さらに当店はすべての商品においてハラール食材のみを使用しているため,イスラム教徒の方々が安心してご利用できます。MegaKebabは,愛知県内に複数店舗を構えているほか,各地のイベントにキッチンカーで出店することもあります。MegaKebabは「どこでも,安くて,美味しいものを提供する」をモットーに営業しています。

オメルさんは「MegaKebab」でどのくらいの期間働いているのですか。  かれこれ15年ほど働いています。その経験から1号店の店長を任されています。
1号店ならではの特徴はありますか。  どこの店舗でも同様のケバブが売られています。あえて1号店の特徴を言うとすれば,「私(オメル)に会える」ことぐらいですかね。
コロナ禍でどのような影響が出ていますか。  感染拡大に伴ってお客さんは減りました。ここ最近は,少しずつお客さんが戻ってきている気はしますが,それでもコロナ前と比べるとひどい有様です。コロナの感染拡大防止のため,店員のマスク着用やアルコール消毒は当然ながら徹底しています。また,政府や自治体から時短営業などの要請があった際は,しっかりとそれに応じています。
今後の目標について,可能な範囲で教えてください。  MegaKebabのようなハラール食品を日本でもっと広めていきたいと思っています。また,日本人に対してイスラムのことやハラール食品のことを紹介する活動を通じ,私たちの文化・宗教をもっと理解してもらうことも私の夢です。

 あと,これは私の密かな目標ですが,いつか日本国籍を取得して,「日本人」になることが私の夢でもあります。

多文化共生について,こう思う

日本は外国人が暮らしやすいところだと思いますか。 日本語がある程度できるなら,暮らしやすいと思いますが,そうでない場合は慣れるまで結構苦労すると思います。ちなみに,名古屋は,人口の多さを考えると暮らし易いと個人的には思っています。
多文化共生社会をさらに実現していくために,もっとこうした方が良いというご意見がありましたらお聞かせ下さい。 外国人とのコミュニケーションに必要不可欠ともいえる「英語」を,日本人はもっと勉強した方が良いと思います。英語が通じるようになれば,日本はより多文化社会に発展していくと考えます。
MegaKebabがあるここ大須の大好きな場所ベスト3を教えてください。 第3位は安くて美味しい食材が豊富なスーパー「さのや」です。第2位は,私の大好物であるインドカレー屋さんです。そして,第1位は,MegaKebabです!

新型コロナウイルスの影響

コロナ禍で様々な影響があるかと思われますが,オメルさんの身の回りではいかがでしょうか。 お店に関しては先程お話した通りです。他方,家庭では妻と娘がステイホームを長期間にわたって強いられ,ストレスが溜まっていると思います。そうした中でも,娘は毎日「パパお仕事頑張って」と言って見送ってくれるので,とても励みになっています。

最後に

同郷のトルコ人の皆さんに,元気の出る応援メッセージをお願いします。 皆さん,一緒に頑張ろう!コロナ禍で大変な思いをしているのは全員同じです。日本のルールをしっかりと守って,一日も早くをこのコロナ禍を乗り切りましょう!

~~関連情報~~


トルコ料理「MegaKebab1号店」
住所:愛知県名古屋市中区大須3-30-35
(地下鉄上前津駅9番出口より北へ徒歩3分)
電話番号:052-251-8925
営業時間:<平日>10時30分から21時
 <土日>10時から22時
(定休日 なし)
※オメルさんは,金曜日を除いてほぼ毎日お店にいらっしゃるとのことです。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため,時短営業や臨時休業の可能性がありますので,来店にあたっては事前に店舗へご確認ください。