玉城町長
辻村 修一 氏 インタビュー
玉城町の特色、お国自慢は?
玉城町長辻村 修一 氏
コンパクトな町で政策施策が推進しやすい。県内外、海外からも注目され視察も多い。東京大学と連携してITⅭを活用したお年寄りが外出するバスシステムを10年前から実施したり。もともと神領の中心で住みやすい内陸の町で津波の心配もない。大企業の立地も多く、パナソニックや京セラ、ミヤロックなどが進出。しかも国内だけでなく世界展開している工場群をコントロールするマザー工場ばかり。その理由は土地柄、つまり気候や人材が集まりやすいとか交通ネットワークの要など好条件。三重南部の玄関口で高速道路玉城インターがあるなど。また歴史的にも神領と言って伊勢神宮にお供えする農作物を作る神宮御園だったし、南北朝時代からの城下町で、熊野古道の出発地でもある。今後の企業誘致は?
企業誘致は簡単ではない。地元の努力というより企業が選ぶもの。世界的、全国的視野で企業は選ぶから。と言っても町はそれなりの努力、協力しています。インフラ整備や住みやすい環境など。例えば体育館は冷暖房完備だし、下水道もほぼ100%普及。
観光面は?
神宮御園で成り立ってきた町なので農業が基幹産業。観光地の意識はなかったし、近くに伊勢神宮や鳥羽・志摩があり、観光資源はたまる城くらいで海外客は期待できない。ただ最近はちょっと田舎にも足を延ばそうという外国人客が増えていると聞くが、それでも生易しいものではないと思う。
三重の南北問題については?
玉城は三重の南の玄関口。交通の要所で、南の人の雇用の場でもある。企業が元気であり続けるなら周辺の市町にもそれが波及していくだろう。今後も広域連合や周辺との協力は必要だが、問題は若い人に残ってもらう魅力が地域にあるかどうか。生産の場であり生活の場でもあるが、そうあり続ける状態をいかに維持していくかが課題だと思う。少子高齢化は国全体の問題で、1700の自治体がその抑制策を作り、国も地方創生として政策展開しているが人口減は加速している。中でも地方は若い人に残ってもらおうと子育て支援や学校教育、高齢者支援を講じているが効果が出ていない。
県や国に対する要望は?
若者定住促進のためなど国は第2弾の地方創生を講じているようだが、本来は地域自信が真剣に考えないといけない。と言っても小さな町では限りがある。道路整備や防災対策などはそうだ。だが、道路整備によって若い人が残ったか、というとかえってストロー現象となって表れた。一極集中は進むばかりだ。
趣味などは?
庭木の剪定やトラクターでの畑の雑草整備くらい。健康法らしいものは自転車通勤だが、コンパクトな町だから10分あれば行けてしまう。地域のお年寄りや子供たちの活躍を見ると元気の源になる。最近読んでいるのは三重県出身の立命館アジア太平洋大学学長、の出口治明氏の世界史本。