特定非営利活動法人あいち・みえプロジェクトネットワークは、愛知県・三重県の活性化に貢献していきます。

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TAKUMI 発掘 プロジェクト

張朋さん

所属:愛知県大府市内の精密機器製造会社
出身:中国河南省駐馬店市


来日したのはいつ頃ですか。また,来日を決めた理由を教えてください。

2018年11月に来日しました。 私は,幼い頃から両親に「これからの時代は機械産業が主流になる。将来を見据えて機械産業に関わる技術を習得した方が良い」と言い聞かされてきました。そのため,大学は理工系の東北大学(中国遼寧省瀋陽市所在)を選び,そこで機械工学を専攻しました。皆さんもどこかで見たことがあるかもしれませんが,重量物運搬等の作業補助を目的としたロボット「マッスルスーツ」の研究をテーマとした論文を書いたこともあります。 そして就職活動をする中で,いくつかの企業との面談を行い,精密機器の製造・販売などをグローバルに行っている日本企業に出会いました。その会社への就職をきっかけに,来日することになりました。

愛知県を選んだ理由を教えてください。

 私が就職した会社の所在地が愛知県であったため,必然的に愛知県に来ました。愛知県は日本のど真ん中に位置していて,東京や大阪などどこへ行くにも便利な場所だと感じています。また,愛知県はトヨタ自動車を始めとして,多くの「モノづくり産業」が集結している地域であることも,魅力的だと思っています。

張朋さんは現在,どのような仕事をされているのですか。

 私は現在,精密樹脂製品の生産加工に必要な金型の設計を担当しています。樹脂製品というのは,主に自動車や家電製品などに多く使用されているのですが,この樹脂製品をスピーディかつ大量に生産するために必要となるのが金型です。この金型を成型機に取り付けて,多くの樹脂製品を産み出しているのです。金型は現代の工業製品に欠かすことのできない存在です。私は,そのような金型の最も初期段階である設計を担当しています。

 そのほか,弊社の金型を仕入れている中国企業に対して,テクニカルサポートやトラブルシューティングも担当しています。さらに,ここ最近は金型の製作作業全体のスケジュール管理・調整といったことも担当しています。

 一般の人々が樹脂製品を直接目にする機会はほとんどないと思われますが,特に自動車であれば,エンジン,パワーウインドウ,ハンドルなどあらゆる部分に使われています。

仕事を通じて学んだことや心掛けていることはありますか。

 仕事に関する技術や知恵は経験を積むことで自然と習得できますが,それだけでは仕事はうまくいかないと思います。経験や勘に頼るのではなく,裏付けとなる確かなデータをしっかりと確認して,正確に仕事することが大切だと考えます。「以前は大丈夫だったから,今回も大丈夫だろう」という考えで仕事をすると,いつか失敗を招くことになります。

 そのほか,仕事は一人だけで完結するものではなく,同僚や上司,部下,違う部署の仲間との協力があって完結するものです。だからこそ,お互いに報告,相談,連絡することは大事です。お客様に対応するのと同じように,仲間同士でも丁寧かつ親切に接する心構えを持つべきだと考えます。

張朋さんの将来の夢を教えてください。

 まずは今の仕事を続けて,もっと技術を高めることが目標です。その上で,私は今の会社や仕事において,日本と中国の架け橋になりたいと思っています。中国人であるという強みを活かして,中国の取引先などとのやりとりをスムーズに進めるための手助けをしていきたいと考えています。

TAKUMIからのメッセージをお願いします。

 「モノづくり」業界を目指す若者の皆さん,この仕事に就くのであれば是非,仕事への姿勢や態度を大切にしてください。「経験や勘だけに頼ることなく,確かなデータに基づいて仕事をすること」,そして「仲間内であってもお客様と同様に接して,報告,相談,連絡を徹底すること」の二点を守ってください。

 それと在日中国人の皆さん,長引くコロナ禍でとても苦労していると思いますが,健康第一で頑張っていきましょう。コロナが終息したら,実家へ行ってご家族に皆さんの笑顔を見せてあげてください。