地域経済動向 2021年 3月
中部経済産業局
最近の管内の経済動向を見ると、生産は「増加している」。鉱工業生産の動向を指数（１２月速報）で見ると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、鉄鋼業などが低下したことから、前月比▲４．２％と７か月ぶりの低下となった。また、前年同月比は▲０．９％と１５か月連続の低下となった。出荷は、輸送機械工業、汎用・業務用機械工業、プラスチック製品工業などが低下したことから、前月比▲５．０％と７か月ぶりの低下となった。また、前年同月比は▲０．７％と２か月ぶりの低下となった。在庫は、輸送機械工業、汎用・業務用機械工業などが上昇したことから、前月比＋２．０％と ３か月ぶりの上昇となった。また、前年同月比は▲９．４％と７か月連続の低下となった。
個人消費は、「緩やかに持ち直している」。百貨店・スーパー販売（全店ベース）は、全体では２か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでも、２か月連続で前年を下回った。百貨店は、外出自粛等の影響により、全店ベースでは２か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでも２か月連続で前年を下回った。スーパーは、食料品等に動きがみられたことから、全店ベースでは３か月連続で前年を上回った。なお、既存店ベースでも３か月連続で前年を上回った。また、百貨店・スーパー販売額指数 （１２月速報、季節調整済み）で見ると、全体では前月比＋１．１％と２か月ぶりに前月を上回った。コンビニエンスストア販売（全店ベース）は、外出自粛や在宅勤務拡大による来店客数減少の影響から、２か月連続で前年を下回った。
設備投資は、「製造業を中心に弱い動きが広がっている」。製造業では、電気機械、化学などで増加する計画も、自動車、はん用機械などで減少する計画となっている。非製造業では、対個人サービス、宿泊・飲食サービスで減少する計画も、運輸・郵便、小売などで増加する計画となっている。なお、管内主要８社の金属工作機械受注（国内向け）は、自動車工業向けが２５か月ぶりに前年を上回ったものの、一般機械工業向けが２６か月連続で前年を下回ったことから、全体でも２５か月連続で前年を下回った。
雇用は、「需給が緩和している」。新規求人数は、「卸売業、小売業」、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」などが前年を下回ったことから、全体でも１７か月連続で前年を下回った。有効求人倍率は、３か月連続の上昇となった。完全失業率は、東海では４四半期ぶりに改善、北陸では３四半期ぶりに悪化した。
このように、管内の経済活動は、「緩やかに持ち直している」。
先行きは、新型コロナウイルス感染症の拡大、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の 増加につながることが期待される。
（月刊東海財界 2021年３月号掲載）