地域経済動向 2021年 1月
中部経済産業局
最近の管内総合経済動向をみると、生産は、「増加している」。鉱工業生産の動向を指数（１０月速報）で見ると、輸送機械工業、電気機械工業、化学工業などが上昇したことから、前月比＋５．１％と５か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲１．６％と１３か月連続の低下となった。出荷は、輸送機械工業、電気機械工業、鉄鋼業などが上昇したことから、前月比＋４．５％と５か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲２．４％と１３か月連続の低下となった。在庫は、生産用機械工業、鉄鋼業などが低下したことから、前月比▲０．８％と２か月ぶりの低下となった。また、前年同月比は▲８．２％と５か月連続の低下となった。
個人消費は、「緩やかに持ち直している」。百貨店・スーパー販売（全店ベース）は、全体では２か月ぶりに前年を上回った。なお、既存店ベースでは、４か月ぶりに前年を上回った。
百貨店は、高額品等に動きがみられたことから、全店ベースでは１３か月ぶりに前年を上回った。なお、既存店ベースでも１３か月ぶりに前年を上回った。スーパーは、食料品等に動きがみられたことから、全店ベースでは２か月ぶりに前年を上回った。なお、既存店ベースでも２か月ぶりに前年を上回った。また、百貨店・スーパー販売額指数 （１０月速報、季節調整済み）で見ると、全体では前月比▲０．７％と３か月ぶりに前月を下回った。コンビニエンスストア販売（全店ベース）は、中食等が好調であったことから、８か月ぶりに前年を上回った。乗用車販売は、小型車が７か月ぶりに、普通車及び軽自動車が１３か月ぶりに前年を上回ったことから、全体でも１３か月ぶりに前年を上回った。
設備投資は、「製造業を中心に弱い動きが広がっている」。製造業では、電気機械、生産用機械などで増加する計画も、自動車、鉄鋼などで減少する計画となっている。非製造業では、対個人サービス、宿泊・飲食サービスで減少する計画も、運輸・郵便、小売などで増加する計画となっている。なお、管内主要８社の金属工作機械受注（国内向け）は、一般機械工業向けが２４か月連続で、自動車工業向けが２３か月連続で前年を下回ったことから、全体でも２３か月連続で前年を下回った。
雇用は、「需給が緩和している」。新規求人数は、「卸売業、小売業」、「医療、福祉」「製造業」などが前年を下回ったことから、全体でも１５か月連続で前年を下回った。有効求人倍率は、１８か月ぶりに上昇となった。
このように、管内の経済活動は、緩やかに持ち直している。
先行きは、新型コロナウイルス感染症の拡大、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の 増加につながることが期待される。
（月刊 東海財界 ２０２１年１月号掲載）