デジタル社会推進局を設置
全国初の常勤CDOを公募採用「あったかいDXを推進」へ
県庁の働き方や組織運営を見直す「スマート改革」に取り組む三重県は4月1日、〝コロナ禍でも誰一人取り残さない、人に優しいデジタル社会の実現〟に向け全国に先駆けた取り組みを加速させようと知事直轄の「デジタル社会推進局」を設置。その司令塔として常勤の「最高デジタル責任者=CDO(Chief Disital Officer)」を公募で選んだ。
「デジタル社会推進局」は、デジタル社会の形成に向けた関連業務を一元的に集約し、効果的に進めるため、総務部の「スマート改革推進課」を移管し、スマート改革をより推進し、市町との連携体制の強化を図る。さらに、社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション=*注)を推進するため、雇用経済部の「創業支援・ICT推進課」を移管し、業務再編等を行って「デジタル事業推進課」に改めた。
CDOの公募には242名の応募があり、選考の結果、田中淳一(たなかじゅんいち、44歳)氏に決定した。任期は5年3月31日までの2年間。田中氏は、一般社団法人ローカルソリューションズ代表理事(2021年3月中に退任)、内閣府地域活性化伝道師、総務省地域情報化アドバイザー。地方自治体として常勤のCDOを公募で決定したのは全国初という。
▽鈴木英敬知事のコメント コロナ禍を機に官民挙げてデジタル活用が議論され、より住民に近い立場にある地方自治体は、主体的にデジタル化を進める必要がある。デジタルを活用して一人ひとりのニーズに対応することで、多様な幸せを実現していきたい。デジタルの専門性や豊富な人的ネットワーク、発信力・広報力、さらには地方創生やマネジメントに携わったご経験をお持ちの田中さんに、その強みである「周りを巻き込む力」を発揮して議論を深め、三重をデジタル社会形成のトップランナーに導いていただくことを期待している。
▽田中淳一氏のコメント ジェンダー平等を礎としたダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)と地域循環共生を前提として、子育て世代も高齢世代もみんなが暮らしやすい「寛容な社会」づくりに向けて、「あったかいDX」を推進していきたい。DXは、あらゆる人々が、家庭・職場・地域それぞれで新しく何かにチャレンジできる時間を創出できるようになる存在であるべきだ。
(月刊東海財界 2021年5月号掲載)