マリオットと積水ハウスがホテル展開
御浜町と大台町の「道の駅」に隣接
ドライブになくてはならない「道の駅」。最近は野菜やスイーツ、食事など地産地消を全面に出して人気を集めている道の駅が多い。国土交通省中部地方整備局管内の中部ブロック(愛知、岐阜、三重、静岡、長野県)には134駅あり、断トツに多いのは岐阜県の56。三重県は18駅ある。
そんな道の駅に目を付けたのが米ホテル大手のマリオットインターナショナルと積水ハウス。日本国内の道の駅を軸とした地方創生プロジェクトをスタートさせ、7月30日、全国各地の「道の駅」に隣接した宿泊特化型(ロードサイド型)ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」を今秋から順次開業すると発表した。まず10月に栃木、岐阜、三重、京都4府県で6施設(計451室)を開業し、2025年までに25道府県で約3000室規模に広げる方針だ。
今年は10月6日、岐阜県美濃市の道の駅にわか茶屋に「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜美濃」の開業を皮切りに、2022年3月までに15ホテルをオープンさせる予定という。三重県では今年10月12日、御浜町の道の駅パーク七里御浜、来春には大台町の道の駅奥伊勢おおだいに予定されている。コロナ禍で疲弊する観光業に、一条の光が差すような明るい話題だ。すでにホームページ(HP)からの予約も始まっている。
これまで旅の通過点だった「道の駅」だが、隣接するエリアにホテルを建てることで地域の観光資源をネットワークし、旅の拠点に変えようとする試み。ホテルはシンプルなものとし、食事や土産などは道の駅や地域の店を利用してもらい、地元の人との交流や、地域の往来を促進する設計になっているのがフェアフィールド・バイ・マリオットの特徴だ。宿泊料金は1室2人で1泊1万~1万5000円ほどになる。積水ハウスの仲井嘉浩社長は「地域の知られざる魅力の発見が、旅の選択肢を広げて地域の活性化へつながる」とのコメントを出している。
一方、三重県ではコロナ禍で落ち込んだ県内消費の喚起や旅行者の県内周遊の促進を図るため、政府が始めた「GoToトラベル」キャンペーンに合わせて7月22日から日本最大級の遊び予約サイト「アソビュー!」に掲載されている三重県で実施される体験・アクティビティがすべて半額で楽しめるキャンペーン「ULTRA SALE! 三重の遊び体験 ぜーんぶっ 半額 ~あれもこれも遊んじゃえ~」を開始(来年3月14日利用分まで)している。対象者は三重、愛知、岐阜、奈良、和歌山県、大阪府の在住者。詳しくは県庁のHPから。
(月刊東海財界 2020年9月号掲載)