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地域経済動向 2020年 11月

中部経済産業局

 生産は持ち直しの動きが見られる。工業生産の動向を指数(8月速報)でみると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業などが上昇したことから、前月比+4.3%と3か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲16.6%と11か月連続の低下となった。

 出荷は、輸送機械工業、鉄鋼業、汎用・業務用機械工業などが上昇したことから、前月比+4.6%と3か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲15.8%と11か月連続の低下となった。

 在庫は、食料品工業、生産用機械工業などが低下したことから、前月比▲1.9%と4か月連続の低下となった。また、前年同月比は▲8.8%と3か月連続の低下となった。

 個人消費は弱まっているものの、一部に持ち直しの動きがみられる。百貨店・スーパー販売(全店ベース)は、全体では3か月連続で前年を上回った。なお既存店ベースでは、2か月連続で前年を下回った。百貨店は、猛暑や外出自粛の影響により、全店ベースでは11か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでも11か月連続で前年を下回った。スーパーは、食料品等に動きがみられたことから、全店ベースでは8か月連続で前年を上回った。なお、既存店ベースでも7か月連続で前年を上回った。

 また、百貨店・スーパー販売額指数(8月速報、季節調整済み)でみると、全体では前月比+2.4%と2か月ぶりに前月を上回った。コンビニエンスストア販売(全店ベース)は、外出自粛や在宅勤務拡大による来店客数減少の影響から、6か月連続で前年を下回った。

 設備投資は、製造業を中心に弱い動きが広がっている。製造業では、電気機械、生産用機械などで増加する計画も、自動車、鉄鋼などで減少する計画となっている。非製造業では、対個人サービス、宿泊・飲食サービスで減少する計画も、運輸・郵便、小売などで増加する計画となっている。なお、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、一般機械工業受けが22か月連続で、自動車工業向けが21か月連続で前年を下回ったことから、全体でも21か月連続で前年を下回った。

 雇用は、需給が緩和している。新規求人数は「製造業」、「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」などが前年を下回ったことから、全体でも13か月連続で前年を下回った。有効求人倍率は、16か月連続で低下となった。

 これらのことから、管内の経済活動は、低迷しているものの、生産面に持ち直しの動きがみられる。

 先行きは、新型コロナウイルス感染症の拡大、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。

(月刊 東海財界 2020年11月号掲載)

日銀名古屋支店

東海3県の景気は、厳しい状態が続く中でも、持ち直している。

 8月の輸出は持ち直している。自動車関連を中心に2か月連続で大幅に増加した。

 生産は持ち直している。7月の鉱工業生産が自動車関連を中心に大幅増加した。

 こうした元で、企業の業況感は製造業を中心に改善している。

 国内需要の面では、個人消費は、夏場の感染再拡大の一服や各県の緊急事態宣言等の解除を受けて、人出の回復が見られたことから、百貨店や観光関連では客足が改善した。この間、スーパー・ドラッグストア販売は堅調に推移している。9月の消費者態度指数は改善した。

 公共投資は、高めの水準で推移している。公共工事請負金額は、7月に増加した後、8月は減少した。

 設備投資は横ばい圏内となっている。2020年度の設備投資は、前年から概ね横ばいの計画となっている。企業収益の減少や先行き不透明感の高さを背景に、能力増強投資を先送りする動きがみられているものの、産業構造の変革への対応やインフラ関連投資が引き続き進められている。

 住宅投資は弱い動きとなっている。8月の新設住宅着工戸数は、持ち家・分譲・貸家のいずれも減少した。

 雇用・所得情勢には弱い動きがみられている。労働需給を見ると、有効求人倍率は小幅に低下したほか、雇用保険受給者数も増加している。雇用者所得をみると、所定外給与や夏季賞与の減少が賃金の下押しに働いているほか、雇用者数も非正規労働者を主因に減少している。

 消費者物価(除く生鮮食品)は前年を下回っている。8月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、「Go To トラベル」による宿泊料の下落により、マイナス幅が拡大した。

 金融環境をみると、東海3件の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、運転資金需要を背景に、前年を大幅に上回っている。足元にかけては、新規貸出に一服感がみられる。東海3県の金融機関の貸出は、都市銀行等の増加を主因に、前年比伸び率が+14%台となっている。

 貸出約定平均金利は引き続き低下傾向にある。東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 預金は高い伸びとなっている。東海3県の金融機関の預金は、法人預金を中心に増加しており、前年比伸び率が+7%台となっている。

 景気の先行きについては、持ち直しの動きが続くと期待されるが、そのペースは緩やかなものにとどまるとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県および三重県を指す。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(https://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。。


(月刊 東海財界 2020年11月号掲載)