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地域経済動向 2020年 8月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(5月速報)で見ると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、プラスチック製品工業などが低下したことから、前月比▲18.5%と4か月連続の低下となった。また、前年同月比は▲40.6%と8か月連続の低下となった。 主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が大幅に減少。生産用機械は、金属工作機械が大幅に減少。電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に緩やかに持ち直している。以上のことから、判断を「減少している」から「大幅に減少している」と下方修正した。判断変更は、2020年6月発表(下方修正)以来、2か月連続。 (前月比:輸送機械工業 ▲31.0%、生産用機械工業 ▲7.1%、電子部品・デバイス工業 ▲20.1%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比▲0.6%と全体では3か月連続で前年を下回った。百貨店は、営業時間の短縮や臨時休業の影響により大幅な減少となった。スーパーは、食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、外出自粛や在宅勤務拡大による来店客数減少の影響がみられた。家電販売は、情報家電等が好調だった。ドラッグストアは、新規出店効果等がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、2か月連続で「弱まっている」と判断した。 (前年同月比:管内商業動態統計(販売額)▲0.6%、百貨店 ▲62.9%、スーパー +9.5%、コンビニエンスストア ▲10.0%、 家電大型専門店 +9.4%、ドラッグストア +15.7%、ホームセンター +19.0%、乗用車販売 ▲48.1%)

 住宅投資は、新設住宅着工戸数は、持家が10か月連続で、貸家が4か月連続で、分譲が2か月ぶりに前年を下回ったことから、全体でも2か月ぶりに前年を下回った。以上のことから、判断を「弱含みとなっている」から「弱い動きとなっている」と下方修正した。判断変更は、2020年4月発表(下方修正)以来、3か月ぶり。

 輸出は、名古屋税関管内の輸出総額は、10か月連続で前年を下回った。品目別では自動車や自動車の部分品などが、主要地域別ではアジア向け、アメリカ向け及びEU向けが前年を大幅に下回った。以上のことから、判断を「減少している」から「大幅に減少している」と下方修正した。判断変更は、2020年6月発表(下方修正)以来、2か月連続。

 雇用は、有効求人倍率は、1.29倍と13か月連続で前月を下回った。1.30倍を下回ったのは80か月ぶりとなったものの、全国(1.20倍)を上回っていることから、2か月連続で「労働需給の引き締まりが緩和している」と判断した。

 先行きは、新型コロナウイルス感染症の拡大、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。

(月刊 東海財界 2020年8月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、厳しい状態が続くなかでも、改善に向けた動きがみられ始めている。

 5月の輸出は前月に続き、中国以外の幅広い国地域向けが大幅に減少した。足もとでは、北米向けの自動車関連を中心に増加に転じつつある。

 生産は、4月の鉱工業生産は、大幅に減少した。自動車関連を中心とした生産調整は、5〜6月にかけて一段と強まったあと、増産に転じつつある。

 国内需要の面では、個人消費は飲食サービスを中心に落ち込んだあと、足元にかけては持ち直しの動きがみられている。乗用車販売は大幅な前年割れが続いているものの、スーパー・ドラッグストア・家電販売は堅調に推移している。6月の消費者態度指数は、低水準ながら改善傾向にある。

 公共投資は、5月の公共工事請負金額は2か月振りに増加した。

 一方で、2020年度の設備投資は前年を小幅に上回る計画となっている。業種別にみると、製造業では投資案件の選別を強めながらも、産業構造の変革への持続的な対応が見込まれている。非製造業では構造的な人手不足への対応やインフラ関連投資の継続が見込まれている。

 住宅投資は、5月の新設住宅着工戸数は、持家・分譲・貸家のいずれも大幅に減少した。

 雇用・所得情勢には、労働需給をみると、5月の有効求人倍率は引き続き低下傾向にある。雇用者所得は、所定外給与の減少が賃金の下押しに働いている。4〜5月は、休業や営業時間短縮も、賃金の下押し要因となっている。

 5月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格の下落を主因に、マイナスが続いている。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、都市銀行等の増加を主因に、前年比伸び率が+12%台となっている。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、法人預金を中心に増加しており、前年比伸び率が+6%台となっている。

 景気の先行きについては、改善に向かうことが期待されるが、そのペースは緩やかなものにとどまるとみられている。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県、および三重県をさす。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(https://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年8月号掲載)