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地域経済動向 2020年 7月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(4月速報)で見ると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、汎用・業務用機械工業などが低下したことから、前月比▲11.3%と2か月連続で低下となった。また、前年同月比は▲18.3%と7か月連続の低下となった。主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が減少。生産用機械は、全体では減少。電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に緩やかに持ち直している。以上のことから、判断を「弱含みとなっている」から「減少している」と下方修正した。判断変更は、2019年12月発表(下方修正)以来、6か月ぶり。 (前月比:輸送機械工業▲17.2%、生産用機械工業▲4.3%、電子部品・デバイス工業▲7.9%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比▲5.2%と全体では2か月連続で前年を下回った。百貨店は、営業時間の短縮や臨時休業の影響により大幅な減少となった。スーパーは、食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、外出自粛や在宅勤務拡大による来店客数減少の影響がみられた。家電販売は、生活家電等が振るわなかった。ドラッグストアは、新規出店効果等がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、判断を「弱含みとなっている」から「弱まっている」と下方修正した。判断変更は、2020年5月発表(下方修正)以来、2か月連続。 (前年同月比:管内商業動態統計(販売額)▲5.2%、百貨店▲70.7%、スーパー+4.6%、コンビニエンスストア▲11.4%、 家電大型専門店▲7.1%、ドラッグストア+18.9%、ホームセンター+9.1%、乗用車販売▲32.5%)

 公共投資は、公共工事前払金保証請負金額は、単月で前年比▲20.1%と大幅に下回ったことから、判断を「このところ弱含んでいる」から「弱い動きとなっている」と下方修正した。判断変更は、2020年3月発表(下方修正)以来、3か月ぶり。

 輸出は、名古屋税関管内の輸出総額は、9か月連続で前年を下回った。品目別では自動車や自動車の部分品などが、主要地域別ではアジア向け、アメリカ向け及びEU向けともに前年を下回った。以上のことから、判断を「弱い動きとなっている」から「減少している」と下方修正した。判断変更は、2020年2月発表(下方修正)以来、4か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率は、1.43倍と12か月連続で前月を下回った。1.50倍を下回ったのは57か月ぶりとなった。以上のことから、判断を「労働需給の引き締まりに緩和の動きが広がっている」から「労働需給の引き締まりが緩和している」と下方修正した。判断変更は、2020年4月発表(下方修正)以来、2か月ぶり。

(月刊 東海財界 2020年7月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海三県の景気は、厳しい状態にある。

 最終需要の動向を見ると、輸出は、減少傾向が続いている。4月は、中国以外の幅広い国・地域向けが大幅に減少した。

 設備投資は、2019年度は、前年を上回ったものの、増加ペースが下方修正されている。2020年度については、前年を小幅に下回る計画となっている。産業構造の変革への対応やインフラ関連の建設が引き続き進められるものの、先行き不透明感が高いなか、能力増強投資を縮小する傾向がみられる。

 個人消費は、飲食サービスを中心とした幅広い業態で販売が落ち込んでいる。緊急事態宣言の解除後も、客足の戻りは弱い。この間、スパー・ドラッグストア販売は、引き続き堅調に推移している。5月の消費者態度指数は、引き続き低水準となっている。

 住宅投資は、4月の新設住宅着工戸数は、マンション着工の集中で一時的に増加したものの、契約件数は引き続き低調となっている。

 公共投資は、公共工事請負金額が、1〜3月に増加した後、4月は一時的に減少した。

 こうしたなか、生産は、鉱工業生産は、減少傾向が続いている。1〜3月は小幅なプラスとなったが、4月以降、自動車関連を中心に生産調整が本格化しており、生産水準は大きく低下している。

 雇用・所得情勢は、労働需給をみると、労働者は前年を上回っており、失業率は引き続き低水準にあるが、有効求人倍率が低下傾向にある。雇用者所得は、所定外給与の減少が賃金の下押しに働いている。4〜5月は、休業や営業時間短縮も、賃金の下押し要因となっている。

 物価は、4月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格下落を主因に、マイナスとなった。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸し出しは、都市銀行等の増加を主因に、前年比伸び率が+9%台となっている。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+4%台となっている。

 景気の先行きについては、夏以降、改善に向かうことが期待されるが、そのペースは緩やかなものにとどまるとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県、および三重県をさす。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(https://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年7月号掲載)