特定非営利活動法人あいち・みえプロジェクトネットワークは、愛知県・三重県の活性化に貢献していきます。

本部事務局
名古屋市東区代官町40 番18 号 ALA 代官町ビル5 階
TEL:052-325-2303 FAX:052-979-2006

地域経済動向 2020年 6月

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、下押し圧力が一段と強まっている。

 最終需要の動向をみると、輸出は、減少傾向が続いている。1〜3月は、中国・欧州向けを中心に、4四半期連続で減少した。4月以降、中国向けが持ち直し傾向にある一方、米欧向けは減少している。

 設備投資は、2019年度は、前年を上回ったものの、増加ペースが下方修正されている。2020年度については、前年を小幅に下回る計画となっている。産業構造の変革への対応やインフラ関連の建設が引き続き進められるものの、先行き不透明感が高いなか、能力増強投資を縮小する傾向がみられる。

 個人消費は、外出自粛や休業の影響により、飲食サービスを中心とした幅広い業態で販売が一段と落ち込んでいる。一方、スーパー・ドラッグストア販売は、引き続き堅調に推移している。4月の消費者態度指数は、過去最低となった。

 住宅投資は、1〜3月の新設住宅着工戸数は、減少した。4月以降も、契約件数の減少が続いている。

 公共投資は、3月の公共工事請負金額は、2か月振りに増加した。2019年度の請負金額は、前年度実績を上回った。

 こうしたなか、生産は、鉱工業生産は、減少傾向が続いている。2月は小幅なプラスとなったが、4月以降、自動車関連を中心に生産調整が本格化しており、生産水準は大きく低下している。

 雇用・所得は、労働需給をみると、労働者数は前年を上回っており、失業率は引き続き低水準にあるが、有効求人倍率が低下傾向にある。雇用者所得は、所定外給与の減少が賃金の下押しに働いている。4月以降は、休業や営業時間短縮の増加も、賃金の下押し要因となっている。

 3月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格下落を主因に、0%まで低下した。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+3%台となっている。

 先行きについては、当面、下押し圧力の強い状態が続くとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県、および三重県を指す。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(https://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年6月号掲載)