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地域経済動向 2020年 5月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(2月速報)で見ると、プラスチック製品工業、窯業・土石製品工業、生産用機械工業などが上昇したことから、前月比+0.3%と2か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲6.9%と5か月連続の低下となった。主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が弱含み。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱い動き。電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に持ち直しの動きがみられる。以上のことから、5か月連続で「弱含みとなっている」と判断した。(前月比:輸送機械工業▲0.7%、生産用機械工業+2.1%、電子部品・デバイス工業▲1.7%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比+6.4%と全体では2か月連続で前年を上回った。百貨店は、衣料品等が振るわなかった。スーパーは、食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、中食が引き続き好調であったことや、日用品等の需要が高まった。家電販売は、生活家電等が好調であった。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、3か月連続で「緩やかに持ち直しているものの、足踏みがみられる」と判断した。(前年同月比:管内商業動態統計(販売額)+6.4%、百貨店▲9.4%、スーパー+7.2%、コンビニエンスストア+1.4%、 家電大型専門店+3.8%、ドラッグストア+22.9%、ホームセンター+8.9%、乗用車販売▲11.9%)

 設備投資は、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、15か月連続で前年を下回った。設備投資の判断指標としている日銀短観、法人企業景気予測調査及び政策投資銀行の設備投資計画調査などで、2019年度の設備投資計画は、前回調査時点よりも概ねプラス幅が縮小してきている。以上のことから、判断を「増加している」から「増加しているものの、伸びは鈍化している」と下方修正した。判断変更は、2017年7月発表(上方修正)以来、33か月ぶり。下方修正は、2016年7月発表以来、45か月ぶり。

 住宅投資は、新設住宅着工戸数は、持家が7か月連続で、貸家が2か月ぶりに、分譲が3か月連続で前年を下回ったことから、全体でも3か月連続で前年を下回った。以上のことから、判断を「おおむね横ばいとなっている」から「弱含みと」と下方修正した。判断変更は、2019年10月発表(下方修正)以来、6か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率は、1.57倍と10か月連続で前月を下回った。1.60倍を下回ったのは44か月ぶりとなった。以上のことから、判断を「労働需給の引き締まりに緩和の動きがみられる」から「労働需給の引き締まりに緩和の動きが広がっている」と下方修正した。判断変更は、2020年2月発表(下方修正)以来、2か月ぶり。

(月刊 東海財界 2020年5月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、下押し圧力の強い状態にある。

 最終需要の動向をみると、輸出は、減少傾向が続いている。2月は、春節後の反動により中国向けが増加したほか、米国向けの自動車関連が増加した。

 2019年度の設備投資は、前年を上回ったものの、増加ペースが下方修正されている。2020年度については、前年を小幅に下回る計画となっている。産業構造の変革への対応やインフラ関連の建設が引き続き進められるものの、先行き不透明感が高いなか、能力増強投資を縮小する傾向がみられる。

 個人消費は、新型感染症が拡大するなか、飲食サービスを中心に客足が鈍化しており、百貨店販売、乗用車販売も落ち込んでいる。この間、スーパー・ドラッグストア販売は、買い溜め需要を背景に堅調に推移している。3月の消費者態度指数は、大幅に低下した。

 住宅投資は、2月の新設住宅着工戸数は、貸家が減少したことから、全体でも大きく減少した。もっとも、分譲は高水準となっているほか、持家は消費税率引き上げの影響が和らいでいる。

 公共投資は、2月の公共工事請負金額は、2か月振りに減少した。2019年度の請負金額は、前年度実績を上回っている。

 こうしたなか、生産は、鉱工業生産は、減少傾向が続いている。1月は、自動車関連を中心に増加した。

 雇用・所得は、労働需給をみると、有効求人倍率はひところに比べて低下しているが、失業率は引き続き低水準であり、労働者数は増加している。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 2月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格や宿泊・旅行価格の下落を反映して、プラス幅が縮小している。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+3%台となっている。

 先行きについては、当面、下押しの圧力の強い状態が続くとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県、および三重県を指す。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(https://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年5月号掲載)