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地域経済動向 2020年 4月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(1月速報)で見ると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、電気機械工業などが上昇したことから、前月比+2.2%と5か月ぶりの上昇となった。また、前年同月比は▲5.1%と4か月連続の低下となった。

 主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が弱含み。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱い動き。

 電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に持ち直しの動きがみられる。以上のことから、4か月連続で「弱含みとなっている」と判断した。

(前月比:輸送機械工業+7.3%、生産用機械工業▲9.9%、電子部品・デバイス工業▲2.5%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)が、前年同月比+0.6%と全体では2か月ぶりに前年を上回った。百貨店は、 衣料品等が振るわなかった。スーパーは、食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、中食が引き続 き好調であったものの、日用品等が振るわなかった。家電販売は、生活家電等が振るわなかった。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、2か月連続で「緩やかに持ち直しているものの、足踏みがみられる」と判断した。

(前年同月比:管内商業動態統計(販売額+0.6%、百貨店▲2.9%、スーパー+0.3%、コンビニエンスストア▲0.1%、家電大型専門店▲4.1%、ドラッグストア+8.4%、ホームセンター▲2.1%、乗用車販売▲15.5%)

 公共投資は、公共工事前払金保証請負金額が、年度累計では前年度比+7.4%と前年度を上回っているものの、5か月連続で一桁増にとどまっており、単月では2か月連続で前年を下回った。以上のことから、判断を「おおむね横ばいとなっている」から「このところ弱含んでいる」と下方修正した。判断変更は、2019年11月発表(下方修正)以来、4か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率は、1.67倍と9か月連続で前月を下回った。1.70倍を下回ったのは36か月ぶりとなった。 以上のことから、2か月連続で「労働需給の引き締まりに緩和の動きがみられる」と判断した。

 このように、管内の経済活動は、足踏み状態となっている。

 先行きは、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。

 総括判断の「足踏み状態となっている」は、2020年2月発表(下方修正)以来、2か月連続。

(月刊 東海財界 2020年4月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、下押し圧力の強い状態にある。

 最終需要の動向をみると、輸出は、2019年4〜6月以降、減少傾向が続いている。1月は、春節の影響を受けて、中国向けが幅広い財で減少している。

 2019年度下期の設備投資は、上期を上回るペースで増加する計画が維持されている。計画の修正状況では、構造的な人手不足や産業構造の変革への対応は引き続き進められているものの、先行き不透明感が高まるなか、能力増強投資を先送りする動きが強まっている。

 販売指標は、総じて弱めとなった。暖冬の影響で冬物商材の動きが鈍かった。新型肺炎の感染が広がるなか、スーパーやドラッグストアでは買い溜め需要がみられる一方、飲食サービスを中心に客足が鈍化している。

 新設住宅着工戸数は、横ばいとなった。利用関係別にみると、持家と貸家は消費税率引き上げ後の反動がみられるものの、分譲は高水準となっている。

 公共工事請負金額は、2か月振りに増加した。今年度入り後の請負金額は、前年度実績を上回っている。

 こうしたなか、鉱工業生産は、2四半期連続で減少した後、1月は増加した。自動車関連を中心に増加している。

 労働需給をみると、有効求人倍率はひところに比べて若干低下しているが、失業率は引き続き低水準であり、労働者数は増加を続けている。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 1月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、3か月連続でプラスとなった。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+3%台となっている。

 先行きについては、当面、下押し圧力の強い状態が続くものの、感染拡大が終息することで、東海経済は再び力強さを取り戻すとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県および三重県を指す。

 なお、日本銀行名古屋支店のホームページ(http://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも東海三県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年4月号掲載)