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地域経済動向 2020年 3月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(12月速報)で見ると、輸送機械工業、鉄鋼業、汎用・業務用機械工業などが低下したことから、前月比▲0.8%と4か月連続の低下となった。また、前年同月比は▲4.7%と3か月連続の低下となった。

 主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が弱含み。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱い動き。電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に持ち直しの動きがみられる。以上のことから、3か月連続で「弱含みとなっている」と判断した。

(前月比:輸送機械工業 ▲3.3%、生産用機械工業 +4.3%、電子部品・デバイス工業 +4.4%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)が、前年同月比▲2.5%と全体では2か月ぶりに前年を下回った。百貨店、スーパーは、衣料品等が振るわなかった。コンビニエンスストアは、中食が引き続き好調であったものの、日用品等が振るわなかった。家電販売は、生活家電等が振るわなかった。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、判断を「緩やかに持ち直している」から「緩やかに持ち直しているものの、足踏みがみられる」と下方修正した。判断変更は、2017年6月発表(上方修正)以来、32か月ぶり。下方修正は2016年7月発表以来、43か月ぶり。

(前年同月比:管内商業動態統計(販売額) ▲2.5%、百貨店 ▲6.8%、スーパー ▲0.7%、コンビニエンスストア ▲0.8%、 家電大型専門店 ▲15.1%、ドラッグストア +4.8%、ホームセンター ▲5.3%、乗用車販売 ▲10.6%)

 輸出は、名古屋税関内の輸出総額が、5か月連続で前年を下回った。品目別では自動車や自動車の部分品などが、主要地域別ではアジア向け、中国向け、アメリカ向け、EU向けがそれぞれ前年を下回った。以上のことから、判断を

「弱含みとなっている」から「弱い動きとなっている」と下方修正した。判断変更は、2019年11月発表(下方修正)以来、3か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率は、1.81倍と5か月連続で前月を下回った。1.90倍を下回ったのは4か月連続となった。また、完全失業率は、東海では4四半期ぶりに改善、北陸では2四半期ぶりに悪化した。以上のことから、判断を「労働需給が引き締まっている」から「労働需給の引き締まりに緩和の動きがみられる」と下方修正した。判断変更は、2016年8月発表(上方修正)以来、42か月ぶり。下方修正は2012年12月発表以来、86か月ぶり。

 このように、管内の経済活動は、足踏み状態となっている。

(月刊 東海財界 2020年3月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、緩やかに拡大している。

 最終需要の動向をみると、輸出は、2019年4〜6月以降、減少傾向が続いている。

 設備投資は、2019年度下期が上期を上回るペースで増加する計画が維持されている。計画の修正状況をみると、全体の7割の企業が投資計画を維持または上方修正している。製造業では、生産ラインや物流の効率化投資、自動車の研究開発投資、非製造業では、運輸・流通業を中心としたインフラ関連投資や省人化投資、新規出店・改装投資の増加が見込まれている。

 個人消費は、 12月の販売指標は、総じて弱めとなった。暖冬の影響で冬物商材の動きが鈍かったほか、前年対比で休日が減少したこともマイナスに寄与した。

 住宅投資は、10〜12月の新設住宅着工戸数は、2四半期振りに増加した。利用関係別にみると、持家と貸家は消費税率引き上げ後の反動がみられるものの、分譲は高水準となっている。

 公共投資は、1月の公共工事請負金額は、2か月振りに増加した。今年度入り後の請負金額は、前年度実績を上回っている。

 こうした中で生産は、10〜12月の鉱工業生産は、2四半期連続で減少した。輸送機械など幅広い業種で減少している。

 雇用・所得情勢は、労働需給をみると、有効求人倍率は一頃に比べて若干低下しているが、失業率は引き続き低水準であり、労働者数は増加を続けている。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 消費者物価は、12月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が、2か月連続でプラスとなった。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+1%台となっている(末残前年比10月+2.2%→11月+2.9% →12月+1.9%)。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している(地域銀行:1 0月 0.788%→1 1月0.784%→12月0.777%、信用金庫:10月1.144%→11月1.141%→12月1.133%)。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+2%台となっている(末残前年比10月+3.3%→11月+3.6%→12月+2.9%)。

 先行きについては、目先、海外経済の回復ペースが鈍化するものの、堅調な内需に支えられ、景気の緩やかな拡大が続くとみられる。

 東海3県とは、愛知県、岐阜県および三重県を指す。

 日本銀行名古屋支店のホームページ(http://www3.boj.or.jp/nagoya/)でも確認できる。

(月刊 東海財界 2020年3月号掲載)