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地域経済動向 2020年 2月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(11月速報)で見ると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、生産用機械工業などが低下したことから、前月比▲2.2%と3か月連続の低下となった。また、前年同月比は▲8.3%と2か月連続の低下となった。

 主力の輸送機械は、乗用車及び自動車部品が弱含み。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱い動き。電子部品・デバイスは、パソコン向け等を中心に持ち直しの動きがみられる。以上のことから、2か月連続で「弱含みとなっている」と判断した。

(前月比:輸送機械工業 ▲2.6%、生産用機械工業 ▲3.1%、電子部品・デバイス工業 +2.3%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)が、前年同月比+0.2%と全体として2か月ぶりに前年を上回った。百貨店は、衣料品等が振るわなかった。スーパーは、飲食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、中食が引き続き好調であったことやキャッシュレス還元の影響等により前年を上回った。家電販売は、生活家電等が振るわなかった。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車が前年を下回った。以上のことから、32か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。

(前年同月比:管内商業動態統計(販売額) +0.2%、百貨店 ▲5.9%、スーパー +1.2%、コンビニエンスストア +1.7%、家電大型専門店 ▲8.7%、ドラッグストア +5.6%、ホームセンター ▲2.2%、乗用車販売 ▲13.7%)

 雇用は、有効求人倍率が、1.83倍と4か月連続で前月を下回った。1.90倍を下回ったのは3か月連続となったものの、全国(1.57倍)と比べて高い水準が続いていることから、42か月連続で「労働需給が引き締まっている」と判断した。

 設備投資は、増加している。 製造業では、電気機械、生産用機械などで増加する計画となっている。 非製造業では、運輸、不動産などで増加する計画となっている。 なお、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、一般機械工業向けが13か月連続で、自動車工業向けが12か月連続で前年を下回ったことから、全体でも12か月連続で前年を下回った。

 企業倒産(件数)は、「サービス業他」、「小売業」などは前年を上回ったものの、「卸売業」、「建設業」、「製造業」などが前年を下回った。

 このように、管内の経済活動は、改善しているものの、足踏みがみられる。

 先行きは、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。

(月刊 東海財界 2020年2月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は緩やかに拡大している。

 最終需要の動向を見ると、輸出は引き続き高い水準にあるが、2019年4〜6月以降、減少傾向が続いている。

 設備投資は、19年度下期は、上期を上回るペースで増加する計画が維持されている。計画の修正状況をみると、全体の7割の企業が投資計画を維持または上方修正している。製造業では、生産ラインや物流の効率化投資、自動車の研究開発投資、非製造業では、輸出・流通業を中心としたインフラ関連投資や省人化投資、新規出店・改装投資の増加が見込まれる。

 個人消費は、各種販売指標をみると、消費税率引き上げ後の反動が縮小している。

 住宅投資は、11月の新設住宅着工戸数が、3か月連続で増加した。利用関係別にみると、持ち家と貸家は消費税率引き上げ後の反動がみられるものの、分譲は高水準となっている。

 公共投資は、11月の公共工事請負金額は、3か月連続で増加した。今年度入り後の請負金額は、前年度実績を上回っている。

 こうしたなかで、生産は、10月の鉱工業生産が、2か月連続で減少した。輸送機械など幅広い業種で減少している。

 雇用・所得は、労働需給をみると、失業率は低水準、有効求人倍率は高水準となっている。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 消費者物価は、11月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、3か月振りにプラスとなった。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている(末残前年比9月+1.8%→10月+2.2%→11月+2.9%)。

 東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している(地域銀行:9月0.790%→10月0.788%→11月0.784%、信用金庫:9月1.144%→10月1.144%→11月1.141%)。一方、新規ベースでは、下げ止まっている。

 東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+3%台となっている(末残前年比9月+1.9%→10月+3.3%→11月+3.6%)。

 先行きについては、高水準の企業収益と雇用者所得の改善を背景に設備投資と個人消費の増加が続くなか、景気の緩やかな拡大が続くとみられる。


 東海3県とは、愛知県、岐阜県および三重県を指す。日本銀行名古屋支店のホームページ(http://www3.boj.or.jp/nagoya)でも東海3県の金融経済動向を確認できる。

(月刊 東海財界 2020年2月号掲載)