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地域経済動向 2019年 11月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(8月速報)でみると、化学工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業などが上昇したことから、前年比+0.9%と2か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲3.5%と2か月ぶりの低下となった。

 主力の輸送機械は、乗用車および自動車部品は高水準で推移。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱い動き。電子部品・デバイスは、スマートフォン向け等を中心に低水準。以上のことから、「一部に弱い動きがみられるものの、高水準で推移している」と判断した。「高水準で推移している」は13か月連続となる。

(前月比:輸送機械工業+1.2%、、生産用機械工業▲4.2%、電子部品・デバイス工業+4.0%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比+3.7%と全体として2か月ぶりに前年を上回った。百貨店は、医療品等に動きがみられたことから、全店ベースでは14ヶ月ぶりに前年を上回った。なお、既存店ベースでも、5ヶ月ぶりに前年を上回った。スーパーは、医療品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、カウンター商材、中食が引き続き好調であった。家電販売は、季節空調等が好調だった。乗用車販売は、小型車が前年を下回ったものの、普通車、軽自動車が前年を上回った。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。以上のことから、29か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。(前年同月比:館内商業動態統計(販売額)+3.7%、百貨店+1.9%、スーパー+0.7%、コンビニエンスストア+0.4%、家電大型専門店+21.1%、ドラッグストア+7.3%、ホームセンター+5.4%、乗用車販売+4.6%)

 住宅投資は、新設住宅着工戸数が分譲が4か月連続で前年を上回ったものの、持ち家が14ヶ月ぶりに、賃貸が3か月連続で前年を下回ったことから、全体でも4か月ぶりに前年を下回った。ここ最近、貸家の着工戸数が前年を下回っていることから、判断を「持ち直しの動きがみられる」から「おおむね横ばいとなっている」に下方修正した。判断変更は、2019年4月発表(上方修正)以来、6か月ぶり。下方修正は2019年1月発表以来、9か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率が1.91倍と2か月ぶりに前年を下回った。19か月連続で1.90倍以上となっており、全国(1.59倍)と比べても高い水準が続いていることから、39か月連続で「労働需給が引き締まっている」と判断した。

 以上のことから、管内の経済活動は改善している。

 また、先行きは、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。
(月刊 東海財界 2019年11月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、中国経済減速の影響が一部にみられるものの、堅調な内需を背景に拡大を続けている。

 最終需要の動向を見ると、輸出は3か月ぶりに減少したが、自動車関連を中心に引き続き高い水準にある。

 2019年度下期の設備投資は、上期を上回るペースで増加する計画となっている。業種別にみると、製造業では、能力増強投資を先送りする動きは一部にとどまっており、生産ラインや物流の効率化投資、自動車の研究開発投資を中心とした増加が見込まれている。非製造業では、運輸・流通業を中心に、インフラ関連投資や省人化投資のほか、新規出店・改装投資の増加が引き続き見込まれている。

 個人消費は、各種販売指標が振れを伴いつつ増加している。家電・乗用車などの耐久材販売のほか、9月末にかけては高額品販売でも、消費税率引き上げ前の駆け込みがみられた。

 住宅投資は、新設住宅着工戸数が、消費税率引き上げ前の駆け込みがピークアウトし、3か月連続で減少した。

 公共投資は、公共工事請負金額が7月に増加した後、8月は減少した。今年度入り後の請負金額は、前年度実績を上回っている。

 こうしたなかで鉱工業生産は、4〜6月に続き、7月も増加した。自動車関連を中心に増加しているほか、IT関連材や一部工作機械の減少ペースが鈍化している。

 また、雇用・所得情勢を見ると、労働需給では、失業率は横ばい、有効求人倍率は高水準となっている。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 消費者物価(除く生鮮食品)は前年を上回っている。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸し出しは、地域金融機関貸し出しの増加を主因に、前年度比伸び率が+1%台となっている(末残前年比6月+2.1%→7月+1.9%→8月+1.9%)。

 また、東海3県の貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している(地域銀行:6月0.801%→7月1.158%→8月1.151%)。一方、新規ベースでは、下げ止まりつつある。

 東海3県の金融機関の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+2%台となっている。(末残前年比6月+2.3%→7月+2.4%→8月+2.8%)。

 先行きについては、企業収益と雇用者所得の改善を背景に設備投資と個人消費の増加が続く中、景気の緩やかな拡大が続くとみられる。

(月刊 東海財界 2019年11月号掲載)