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地域経済動向 2019年 8月

中部経済産業局

 生産は、鉱工業生産の動向を指数(5月速報)で見ると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、生産用機械工業などが上昇したことから、前月比+4.8%と2か月連続の上昇となった。また、前年同月比は▲0.2%と4か月連続の低下となった。

 主力の輸送機械は、乗用車は緩やかに増加、自動車部品は高水準で推移。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱含み。電子部品・デバイスは、スマートフォン向け等を中心に減少。以上のことから、「一部に弱い動きがみられるものの、高水準で推移している」と判断した。「高水準で推移している」は10か月連続となる。

 (前月比:輸送機械工業+6.0%、生産用機械工業+11.2%、電子部品・デバイス工業+24.4%)

 個人消費は、管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比+2.2%と全体として4か月連続で前年を上回った。百貨店は、衣料品等が振るわなかったことから、全店ベースでは11か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでも、2か月連続で前年を下回った。スーパーは、飲食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、カウンター商材、中食が引き続き好調であった。家電販売は、季節空調等が好調であった。乗用車販売は、小型車が前年を下回ったものの、普通車、軽自動車が前年を上回った。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。以上のことから、26か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。

 (前年同月比:管内商業動態統計(販売額)+2.2%、百貨店▲5.4%、スーパー+0.6%、コンビニエンスストア+2.5%、 家電大型専門店+7.2%、ドラッグストア+7.1%、ホームセンター+3.7%、乗用車販売+6.6%)

 公共投資は、公共工事前払金保証請負金額は、年度累計では前年度比+9.8%と前年度を上回り、単月でも2か月連続で前年を上回ったことから、判断を「おおむね横ばいとなっている」から「増加の動きがみられる」に上方修正した。判断変更は、2019年5月発表(下方修正)以来、2か月ぶり。上方修正は2019年3月発表以来、4か月ぶり。

 雇用は、有効求人倍率は1.93倍と2か月ぶりに前月を下回った。16か月連続で1.90倍以上となっており、全国(1.62倍)と比べて高い水準が続いていることから、36か月連続で「労働需給が引き締まっている」と判断した。

 先行きは、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待される。

 管内の経済活動は、改善している。平成29年7月発表(上方修正)以来、25か月連続。

(月刊 東海財界 2019年8月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、中国経済減速の影響が一部にみられるものの、堅調な内需を背景に拡大を続けている。

 最終需要の動向を見ると輸出は、増加基調にある。3か月連続で減少したが、北米向けの自動車関連を中心に高い水準を維持している。

 企業の業況判断が慎重化しているが、企業収益は高水準を維持しており、設備投資は製造業・非製造業とも前年を上回る計画となっている。短観の6月調査では、大企業製造業を中心に、計画を上方修正した先が下方修正した先を上回った。業種別にみると、製造業は、効率化投資や自動車の研究開発投資を中心とした増加が見込まれている。非製造業では、運輸・流通業を中心に、インフラ関連投資や省人化投資のほか、新規出店・改装投資の増加が引き続き見込まれている。

 個人消費は、各種販売指標は振れを伴いつつ増加している。家電・乗用車などの耐久財販売では、消費税率引き上げ前の駆け込みがみられ始めている。

 住宅投資は、新設住宅着工戸数は4月に減少した後、5月は大幅に増加した。利用関係別にみると、分譲は振れを伴いつつ増加している。持家と貸家では、消費税率引き上げ前の駆け込みも増加に寄与している。耐久財消費と住宅投資の一部には、消費税率引き上げ前の駆け込みがみられ始めている。

 公共投資は、公共工事請負金額は、5月は減少したが、前年度の水準を上回っている。

 こうしたなかで、鉱工業生産は、1〜3月に続き、4月も増加した。IT関連財や一部工作機械が弱含んでいるが、全体としては、自動車関連を中心に増加している。

 雇用・所得情勢では、労働需給をみると、失業率は横ばい、有効求人倍率は高水準となっている。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%台後半で横ばいとなっている。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている(未残前年比3月+3.9%→4月+2.8%→5月+2.4%)。

 貸出約定平均金利は、ストックベースでは、緩やかに低下している(地域銀行:3月0.810%→4月1.165%→5月1.162%)。一方、新規ベースでは、下げ止まりつつある。

 金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+2%台となっている(未残前年比3月+2.7。%→4月+2.4%→5月+2.0%)。

 先行きについては、企業収益と雇用者所得の改善を背景に、設備投資と個人消費の増加が続く中、景気の拡大が続くとみられている。

(月刊 東海財界 2019年8月号掲載)