特定非営利活動法人あいち・みえプロジェクトネットワークは、愛知県・三重県の活性化に貢献していきます。

本部事務局
名古屋市東区代官町40 番18 号 ALA 代官町ビル5 階
TEL:052-325-2303 FAX:052-979-2006

地域経済動向 2019年 7月

中部経済産業局

<生産>
 鉱工業生産の動向を指数(4月速報)で見ると、輸送機械工業、化学工業、プラスチック製品工業などが上昇したことから、前月比+1.2%と2か月ぶりの上昇となった。また、前年同月比は▲0.9%と3か月連続の低下となった。
 主力の輸送機械は、乗用車は緩やかに増加、自動車部品は高水準で推移。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱含み。電子部品・デバイスは、スマートフォン向け等を中心に減少。以上のことから、「一部に弱い動きがみられるものの、高水準で推移している」と判断した。「高水準で推移している」は9か月連続となる。

<個人消費>
 管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比+0.0%と全体として3か月連続で前年を上回った。百貨店は、衣料品等が振るわなかったことから、全店ベースで10か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでは、3か月ぶりに前年を下回った。スーパーは、飲食料品等が振るわなかった。コンビニエンスストアは、カウンター商材、中食が引き続き好調であった。家電販売は、生活家電が好調であった。乗用車販売は、小型車が前年を下回ったものの、普通車、軽自動車が前年を上回った。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。以上のことから、25か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。

<雇用>
有効求人倍率は1.96倍と2か月ぶりに前月を上回った。15か月連続で1.90倍以上となっており、全国(1.63倍)と比べて高い水準が続いていることから、35か月連続で「労働需給が引き締まっている」と判断した。

<輸出>
 名古屋税関管内の輸出通関額(円ベース・速報)は、3か月連続で前年を上回った。品目別で 見ると、「船舶類」などが前年を上回った。
主要地域(国)別で見ると、中国向けが2か月連続で前年を下回ったものの、アジア向けが2か月ぶりに、米国向けが4か月連続で、EU 向けが5か月連続で前年を上回った。

<設備投資>
 製造業では、電気機械、窯業・土石製品などで増加する計画となっている。 非製造業では、情報通信、卸売などで増加する計画となっている。 なお、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、一般機械工業向けが6か月連続で、
自動車工業向けが5か月連続で前年を下回ったことから、全体でも5か月連続で前年を下回っ た。

<住宅投資>
 新設住宅着工戸数は、持家が10か月連続で前年を上回ったものの、貸家が2か月ぶりに、分譲が5か月ぶりに前年を下回ったことから、全体でも5か月ぶりに前年を下回った。

(月刊 東海財界 2019年7月号掲載)

日銀名古屋支店

 東海3県の景気は、中国経済減速の影響が一部にみられるものの、堅調な内需を背景に拡大を続けている。

 最終需要の動向をみると、輸出は1〜3月に大幅に増加した後、4月は減少したが、北米向けの自動車関連を中心に、なお高い水準を維持している。

 2019年度の設備投資は、製造業・非製造業とも前年を上回る計画となっている。製造業では、総じてみれば、能力増強投資や効率化投資を中心とした緩やかな増加が見込まれている。

 非製造業では、運輸・流通業を中心に、インフラ関連投資や省人化投資のほか、新規出店・改装投資の増加が引き続き見込まれている。

 こうしたなかで、生産、鉱工業生産は、1〜3月にマイナスとなった後、4月はプラスとなった。IT関連財や一部工作機械が弱含む一方、自動車関連が増加を続けている。

 雇用・所得情勢では、労働需給をみると、失業率は横ばい、有効求人倍率は高水準となっている。 

 個人消費は、振れを伴いつつ増加している。4月は、百貨店販売に加え、家電・乗用車などの耐久財販売も堅調だった。雇用者所得は、一人当たり名目賃金を主因に増加している。

 消費者物価(除く生鮮食品)は前年比0%台後半で前年を上回っている。

 住宅投資は、持ち直しの傾向にある。新設住宅着工戸数は、2か月連続のプラスとなった後、4月はマイナスとなった。利用関係別にみると、分譲は振れを伴いつつ増加しているが、4月のマンション着工は低水準にとどまった。

 公共投資は、公共工事請負金額が1〜3月に減少した後、4月は大幅に増加し、高めの水準で推移している。

 金融環境をみると、東海3県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の貸出は、前年を上回って推移している。地域金融機関貸出の増加を主因に、前年比伸び率が+2%台となっている(末残前年比2月+2.0%→3月+3.9% →4月+2.8%)。貸出約定平均金利は、引き続き低下傾向にある。 ストックベースでは、緩やかに低下している(地域銀行:2月0.814% →3月0.810% →4月0.806%、信用金庫:2月1.176%→3月1.165% →4月1.165%)。一方、新規ベースでは、下げ止まりつつある。県の金融機関(国内銀行、信用金庫)の預金は、個人預金、法人預金ともに増加しており、前年比伸び率が+2%台となっている(末残前年比2月+2 .2%→3月+2 .7%→4月+2.4%)。



 先行きについては、企業収益と雇用者所得の改善を背景に、設備投資と個人消費の増加が続くなか、景気の拡大が続くとみられる。

東海3県とは、愛知県、岐阜県および三重県を指す。

(月刊 東海財界 2019年7月号掲載)