地域経済動向 2019年 6月
中部経済産業局
＜生産＞
鉱工業生産の動向を指数（３月速報）で見ると、輸送機械工業、生産用機械工業、食料品工業などが低下したことから、前月比▲１．２％と２か月ぶりの低下となった。また、前年同月比は▲５．３％と２か月連続の低下となった。
主力の輸送機械は、乗用車は緩やかに増加、自動車部品は高水準で推移。生産用機械は、金属工作機械を中心に弱含み。電子部品・デバイスは、スマートフォン向け等を中心に弱い動き。以上のことから、「一部に弱い動きがみられるものの、高水準で推移している」と判断した。「高水準で推移している」は８か月連続となる。
（前月比：輸送機械工業▲４．２％、生産用機械工業▲１．７％、電子部品・デバイス工業＋１６．５％）
＜個人消費＞
管内商業動態統計（販売額）は、前年同月比＋３．０％と全体として２か月連続で前年を上回った。百貨店は、高額品に動きがみられたものの衣料品等が振るわなかったことから、全店ベースで９か月連続で前年を下回った。なお、既存店ベースでは、２か月連続で前年を上回った。スーパーは、飲食料品等に動きがみられた。コンビニエンスストアは、カウンター商材、中食が引き続き好調であった。家電販売は、生活家電等が好調であった。乗用車販売は、普通車、小型車及び軽自動車で前年を下回った。ドラッグストアは、新規出店効果がみられた。以上のことから、２４か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。
＜公共投資＞
公共工事前払金保証請負金額は、年度累計では前年度比＋９．５％と前年度を上回ったものの、３か月ぶりに前年を下回ったことから、判断を「持ち直しの動きがみられる」から「おおむね横ばいとなっている」に下方修正した。判断変更は、平成３１年３月発表（上方修正）以来、２か月ぶり。下方修正は平成３１年１月発表以来、４か月ぶり。
＜輸出＞
名古屋税関管内の輸出総額は、２か月連続で前年を上回った。自動車を中心に好調が続く見込みであることから、判断を「横ばいとなっている」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。判断変更は、平成３１年２月発表（下方修正）以来、３か月ぶり。上方修正は平成３０年２月発表以来、１５か月ぶり。
＜雇用＞
有効求人倍率は１．９４倍と５か月ぶりに前月を下回った。１４か月連続で１．９０倍以上となっており、全国（１．６３倍）と比べて高い水準が続いている。また、完全失業率は、東海では前期と同値、北陸では２四半期ぶりに改善したことから、３４か月連続で「労働需給が引き締まっている」と判断した。
（月刊 東海財界 ２０１９年６月号掲載）