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三重県知事
鈴木 英敬 氏 インタビュー

コロナ対策で心血を注いだ対策を教えてください

三重県知事鈴木 英敬 氏

 三重県は県内1例目の確認や、政府の新型コロナ感染症対策本部設置(1月30日)に先んじて1月27日に知事をトップとした緊急部長会議を開催、さらに県民へのメッセージ発出など国に先駆けた県民へ早期のアラートを発し続けました。

 当初からPCR検査、接触者調査、ケース管理を徹底し、大切な医療提供体制を十分に整備するため、病床を当初の約10倍確保する一方、軽症者向け宿泊療養施設を民間協定により適時確保できる体制を整えました。

 今後も続く感染症脅威の中で「医療体制の整備」「経済の再生・活性化」を両輪で推進するため、融資でない形で資金を事業者に届ける必要があると考え、国の持続化給付金に先んじて「三重県経営向上支援新型コロナ危機対応補助金」(上限100万円)を創設し手元に届けました。なお三重県の鉱工業指数の下げ幅(1月~8月)は全国の▲11.7%に比べ▲3.2%と小さく、百貨店・スーパー販売額の伸び(同)は東海3県で三重県が最大、倒産件数(3月~7月)は全国が増加している中、三重県は減少など三重県経済に寄与することが出来たと思っています。

 また観光産業に対しては「みえ旅プレミアム旅行券」「みえ得トラベルクーポン」を発行し宿泊需要の獲得、旅行需要の平準化に取り組んでいます。10月の県内宿泊実績を見ると2019年と2020年の比較で予約件数が131.6%、取扱額が165%と前年より増加。予約状況は全体を100として9月が19.0%、10月22.9%、11月18.6%と平準化も達成できています。

 企業誘致については10月にキノコ栽培の大手企業が多気町に大規模生産拠点を立地することとなり、町・県と協定を結び、また半導体製造大手企業が四日市市内に新製造棟を建設することが今春決まりました。感染症の影響で雇用の喪失や投資抑制が懸念される中、雇用の創出や地域経済の活性化のつながる話題で大変うれしく思っています。

 私は全国知事会の地方創生対策本部長として、11月に「活力ある地方の実現に向けた提言」をまとめ、坂本地方創生大臣など国に要望してきました。この中で感染症対策に必要な地方創生臨時交付金の確保・充実や地域の景気を下支えする公共事業のための交付金の創設、コロナ禍でダメージを受けた事業者への支援などを求めています。


ワクチンが開発され、これからはアフターコロナ、あるいはウイズコロナの時代ともいわれています。どのような施策を考えていますか?

 令和3年度は「DⅩ」×「SDGs」でスマートな三重へ、を合言葉に「Build back better(新型コロナ前より良い社会へ)」の観点から、県民の不安を解消する取り組みを加速させると共に、一人一人の希望を取り戻し、新未来を実現するための取り組みに挑んでいきます。



 具体的には、新型コロナ危機の克服に最優先で取り組むと共に①三重とこわか国体(9月25日~10月5日)・三重とこわか大会(10月23日~25日)を成功させる②命・安全安心を大切にする③包容力、多様性、持続可能性を大切にする④未来への希望、挑戦を大切にする―の4つの柱に基づきデジタル技術を積極的に活用して行きます。

 また、コロナ禍の中で、患者やその家族、医療従事者などに対する偏見・差別が問題となりました。昨年12月に成立した「三重県感染症対策条例」で「差別の禁止」を規定しており、教育や啓発活動を通じた正しい知識の普及を図ることにより、偏見・差別の解消に取り組んでいきます。


「三重県らしい多様で包容力ある持続可能な社会」を目指し、2020年4月に「みえ県民力ビジョン第3次行動計画」を策定し、その中の第2次行動計画の総括で、伊勢志摩サミットの経済効果や産業振興に向けての取り組みなどを整理されました。2021年度に計画している産業施策のうち重点施策について教えてください。

 ①REⅤIC(地域経済活性化機構)と連携した持続可能な観光地づくり―具体的には鳥羽市相差地区で、宿泊施設の経営改善や負担軽減のため経営資源の共有化を目指し、これまで個々に行っていた調理やバス送迎などを地域全体のサービスとして提供できるようセントラルダイニング、共同交通を構築・運営するなど全国に先駆けた取り組みを実施しています。またこうした取り組みを中長期的に進めていくため、地域金融機関とも協議を重ね、2020年11月、県とREⅤIC、3つの金融機関で連携協定を都道府県で初めて結びました。令和3年1月に伊勢・志摩・鳥羽の関係者と協議会を設置し、第1号の県内投資が実施されることを目指します。

 ②太平洋・島サミットの成功―「第9回太平洋・島サミット」の成功に向けて「みえ太平洋・島サミット推進会議」と連携し、オール三重で取り組みます。SNSの情報発信、メディアによる視察などを通じた三重の魅力発信を行うことにより、開催機運の醸成を図ります。また、サミットを契機に、次世代交流などこれまで培ってきた島しょ国との交流をさらに深め三重県の国際会議ブランド力を向上させます。

 ③みえ資本力強化プラットフォーム(仮称)―中小企業・小規模企業の事業継続に支障が生じることのないよう、切れ目ない資金繰りを行うと共に感染拡大の影響を克服し、継続に向けた取組みを資金面からも支援していきます。地域経済の核となる中小企業の財務基盤強化のため、官民一体となった「みえ資本力強化プラットフォーム(仮称)」を構築し、支援します。

 ④とこわかMIEスタートアップエコシステム―三重県ゆかりの先輩起業家が後輩起業家の育成に回ることで、新規事業が次々再生産される仕組みで新たな事業展開を目指すスタートアップの創出に取り組みます。

 ⑤ワーケーションの推進―ワーケーションのモデル的取り組みを県内に水平展開し、市町の取り組みと連携しながら「みえモデル」を構築すると共に首都圏などの企業へのプロモーションと県内受け入れ施設とのマッチングを推進するほか、県外企業のサテライトオフィス誘致に取り組みます。


「みえ県民力ビジョン第3次行動計画」では三重とこわか国体・三重とこわか大会の成功に向けた施策も強調しています。今後のスポーツ・文化の育成について、聞かせてください。

 両大会は新型コロナ感染症発生以降、初めての国民体育大会・全国障害者スポーツ大会となります。だからこそ安全安心に開催できるようにしなければならい。両大会の見直しを行い、「オール三重」で準備を進めています。

 開・閉会式は三重県総合文化センターで実施し、屋内施設ならではのデジタル技術を活用して大会への想いや感動を創出するなど国体史上初の「オンライン式典」に挑戦します。両大会は私が知事になった平成23年度から誘致を行い、10年に渡り皆さんと準備を進めてきました。三重とこわか国体で天皇杯・皇后杯を獲得し、県民の皆さんと喜びを共にしたい。

 また両大会を通じて3つのレガシーが創出されることを期待しています。①大規模施設整備による地域スポーツの振興、交流促進、ハイレベルなスポーツに触れる機会の創出②活躍選手が県内に定着することによる競技力の維持と次世代選手・指導者の育成③大会を通じて培ったおもてなし力など「支える」人づくり―。これらのレガシーが継承されることで一層活気あふれる地域となることを目指します。


2021年は衆院選挙もあります。菅政権に対して要望したいテーマがありましたら。

 新型コロナへの対応として①診療・検査体制の整備、入院・宿泊診療施設の受け入れ・運用体制の確立支援の他、経営悪化の医療機関への支援などの強化②リーマンショック時を上回る緊急雇用創出やハード対策など大規模な雇用・経済対策の実施などです。

 次いで南海トラフ地震や気候変動による風水害から国民を守るために「防災・減災、国土強靭化3か年緊急対策」以降も必要な予算の確保。

 3つ目は、菅内閣で、デジタル庁の創設、IT基本法改正に向けた検討などが急ピッチです。三重県からも内閣官房IT総合戦略室に職員1人を派遣、私も国の「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」の構成員の就任したほか、全国知事会の「デジタル社会推進本部」の副本部長に就任し、国の検討プロセスに積極的に参画しています。三重県では来年度から県版デジタル庁の「デジタル社会推進局(仮称)」を設置すべく検討しており、国においても地方の声を十分踏まえてほしい。

 4つ目は地方創生の再加速。今年度から第2期地方創生が始まる一方、コロナ禍でテレワークが普及するなど大都市への過度な一極集中のリスク、関係人口の創出など「新しい人の流れ」が起き始めており、地方創生への支援を講じて頂きたい。また不妊治療への医療保険適用の拡大について菅内閣で検討されていますが、三重県は全国に先駆けて男性不妊治療費助成を実施するなどしており、国の動きを心強く感じると共に、三重県の取り組みなどの成果・課題も十分踏まえてほしいと思っています。


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