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 〝命〟と〝経済〟の両立をめざす
 「みえモデル」を策定

策定した「みえモデル」(画像は三重県のホームページより引用)

コロナ第3弾の対策

 緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルス感染症対策は新たなフェーズに入った。三重県は、第3弾の対策〝命〟と〝経済〟の両立をめざす「みえモデル」を策定した。

 「みえモデル」とは、第2波に備えて医療提供体制を万全にして地域経済再生への道を開く考え。感染症の脅威の中、社会経済活動への影響を最小限にして県民の命と健康を守る。価値観やライフスタイルの変化をふまえ、暮らしと経済の再生・活性化をどう図っていくのか示すもの。

 また、「県民の命を守り抜く感染拡大の防止」「地域経済の再生と進化」などの分野ごとに、「デジタル・トランスフォーメーション」(IT、デジタル技術を利用した変革)の推進や、ものづくり産業の集積など同県の強みの活用、一極集中リスクの軽減といった視点を持ち、段階を踏んで道筋を描く「戦略」の役割を果たすという。今後も県の動きに注目したい。

 東海東京調査センターが発表した東海3県に本社を置く上場企業172社の2020年3月期決算集計によると、全産業の売上高は前期比1・7%減の43兆8283億円、経常利益は19・1%減の2兆4486億円。特に製造業(95社)の落ち込みがひどく、売上高8・6%減、経常利益93・2%減とコロナの直撃を受けている。

 そんな中、チャレンジに打って出ている企業も。四日市市の日本酒メーカー「伊藤酒造」は、コロナ禍で消毒用アルコール製品の供給不足を受け、手指消毒用の高濃度エタノール製品「CLEAN65」を製造し、出荷を始めた。

 酒造用の原料アルコールを、酒造用水で加水調整した。濃度65%。飲用はできない。初回は家庭用300㎖入り600本(税抜き540円)と業務用として1・8ℓ入り50本を瓶詰めした。今後も状況に合わせて随時、追加製造するという。伊藤旬代表(59)は「緊急事態宣言がまた発令されれば、消毒用のアルコール製品がまったく手に入らないという事態も容易に想定される。必要な時に提供できるよう備えたい」と話した。当面は医療機関や介護施設を優先し、一般消費者にも販売する。しばらくは伊藤酒造の直接販売のみという。伊藤酒造=☎059(326)2020。

 明るい話題をもう一つ。夏の全国高校野球は中止となったが、県高野連は県独自の大会を開くことを決めた。7月11日から8月2日の土日祝日開催で62校がトーナメントで競う。県高野連・岩出卓会長は「3年生は100%の満足はできないでしょうが、3年間の区切りの大会になる。これをきっかけに次のステージに前向きに進んでほしい」と述べた。

(月刊東海財界 2020年7月号掲載)