特定非営利活動法人あいち・みえプロジェクトネットワークは、愛知県・三重県の活性化に貢献していきます。

本部事務局
名古屋市東区代官町40 番18 号 ALA 代官町ビル5 階
TEL:052-325-2303 FAX:052-979-2006

観光、グルメで追い風さらに

三重ブランドの募集も再開

 令和最初の黄金週間や、グルメファン待望のミシュラン本発売など、三重県には追い風となる事象が相次いだ。県の施策もそれをうまく利用して後押しする方向だ。

 県の発表によると、10連休に県内主要21観光施設を訪れた人は、89万人増の300万2800人。最も多く訪れたのは昨年に続いて桑名市のナガシマリゾートで100万人。次いで改元で注目を集めた伊勢神宮が昨年の2.2倍にあたる88万余人、3位は鈴鹿サーキット。4位は開園25周年でさまざまな企画を打った志摩市の志摩スペイン村。さらに海外のNINJAブームを受け、伊賀市の伊賀上野城や伊賀流忍者博物館も前年比4割超の伸びを記録した。

 三重県への入り込み客の増加は、3月17日に開通した新名神高速道路の新四日市ジャンクション(JCT)―亀山西JCTが貢献した。並行して走る東名阪自動車道の四日市JCT―亀山JCT間の渋滞は、昨年の同時期と比べて10㎞以上の渋滞が8回と半減し、20㎞以上の渋滞は6回から1回に大幅に減少した。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、「大きな天候の乱れがなければ、19年度は三重県方面の施設が集客を増やす」とみている。

 ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版(3000円税別)の発行もこれからの追い風となるだろう。伊勢市のすし店「こま田」が三つ星に選ばれたほか、二つ星2店、一つ星8店、ビブグルマン40店などとなっている。本を手に巡る観光客の増加が期待できそうだ。

 伊勢市の「夫婦岩」には関東から訪れる人が増えているとして、東京と伊勢市を結ぶ夜行バスを運行しているウィラー(大阪市)は、二見地区に2カ所の停留所を新設、6月2日から運用を始めた。これまで伊勢市駅が終点だったのを、二見まで延伸。季節や曜日によっては片道3000円台という格安さで若者の利用を狙う。

 県は、6月から2年ぶりに「三重ブランド」の募集を始めた。9月まで。松阪牛や真珠など三重を代表する農林水産物を県が認定する制度。多くの生産者にブランド化を目指してもらい、品質や知名度向上につなげる。先日はJR東海の金子慎社長が鈴木英敬知事を初訪問。リニア中央新幹線の県内区間延伸に向けての地元への配慮だが、金子社長は「県と情報を共有したい」と要請し、鈴木知事は「事業がスムーズに進むよう、準備できることをしっかりしていきたい」と応じた。米中貿易戦争は気がかりだが、長中期的にも先行きは明るいようだ。

(月刊東海財界 2019年7月号掲載)