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令和に伸びる施策となるか

3期目鈴木県政の経済政策

 先の選挙により平成最多の得票率で令和最初の三重県知事となった鈴木英敬氏(44)。3期目の県政を担う政策を、選挙公約や記者会見などから検討してみた。

 まず、東日本大震災や紀伊半島大水害を受けてスタートした防災・減災対策に、3年間で総額1000億円の政策パッケージを創設し、集中的に取り組むとしている。例えば、病院や中小企業の業務継続計画の策定支援や適切な避難行動の取り組みを支援するほか、防災・減災対策に資する人材育成と対策強化を図る共に災害時の被害軽減と県土強靱化(きょうじんか)のハード整備を進めるという。

 地域経済の活性化については、今後10年を見据えて策定した「みえ産業振興ビジョン」の具現化に向け、ICT(情報通信技術)の導入・利活用や事業継承の支援などで地域の雇用を支える中小企業の振興を図る。また、2016年のサミット効果で増えた訪日外国人(インバウンド)誘客にさらに力を注ぐなどとしている。

 1000億円の予算は経済の活性化につながるだろうし、インバウンドに関しては、2017年の観光客数が4219万人(2018年6月、三重県まとめ)と過去最高だっただけに、2033年の神宮式年遷宮も視野に入れて大いに期待できそうな気配がある。

 最近の三重県内の経済情勢について、東海財務局津財務事務所は4月25日付報告で、総括判断を前回「回復している」(1月判断)から、「一部に弱い動きがみられるものの、回復している」(4月判断)とし、前回比較としては「横ばい」とし、先行きに関しては雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、引き続き景気が回復していくことが期待される。ただし、通商問題の動向や海外経済の不確実性、労働力の不足などによる各種供給制約に留意する必要がある、としている。

 民間の調査では三十三総研(四日市市)が「一部に弱い指標がみられるものの、県内の景気は緩やかな回復傾向」とし、本年10月の消費増税を前に徐々に駆け込み需要がみられ、3月17日に開通した新名神高速道路の新四日市JCT―亀山西JCT間による渋滞緩和で県内各地のレジャー施設などでは入り込み客の増加が期待できるとしているほか、百五総合研究所(津市)も「緩やかに回復している。個人消費は持ち直し、生産は回復、雇用は高水準で推移」としており、官民双方とも総体的に見通しは良さそうだが……。次号では具体的動向や注目事例などを交えてチェックしていく。

(月刊東海財界 2019年6月号掲載)